胆管消失症候群VDBSは免疫反応により胆管が消失する現象で進行例では肝不全に至る。我々はVBDSとして顕性化する前から毛細胆管レベルですでにキナーゼの減少が生じ小葉間胆管の消失が続くことを示してきた。本研究ではS1P2受容体に着目し免疫細胞と毛細胆管の構造変化からVBDSの病態解明を試みた。肝細胞の3次元培養により毛細胆管を形成させ阻害剤を用いて毛細胆管やS1P2受容体下流分子の変化を観察した。VBDS患者肝臓ではマクロファージのS1P2受容体発現は亢進しその阻害によりマクロファージ活性は低下した。マクロファージと肝細胞のS1P2受容体間の伝達から毛細胆管の拡張破壊を誘発する可能性を示した。
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