これまでにp62は、オートファジーの選択的基質となることの発見を契機に、タンパク質分解系との関連を中心に盛んに研究が行われているが、細胞質―核間のシャトリングによる「細胞内の局在性と機能」に関する研究は全く無かった。近年、発がんや細胞内に異常タンパク質の凝集体形成を伴う神経系、肝臓の重大疾患に、オートファージー活性の低下によるp62発現量の変化が関与することや、その際に液―液相分離という物理的な現象が関連していることが続々と報告されているが、本研究で得られた成果は、それらに対し新たに細胞内の場の重要性を示唆する生物学的新知見をもたらした。
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