研究課題
基盤研究(C)
大腸がんによる死亡の大半は他臓器への転移によることから新機軸の予防・治療法の開発が待たれている。本研究では、大腸がんを自然発症し約20%の低頻度だが肝臓に自然転移する遺伝子改変マウスと、このマウスにPiggyBacトランスポゾンを導入した肝転移の頻度が約2倍に上昇するマウスモデルの開発に成功した。これらのマウスモデルの解析により転移に関与する遺伝子やシグナル伝達経路の同定することができた。
腫瘍生物学
本研究は大腸がんの発症から浸潤・転移といった大腸がんの悪性化に必要な遺伝子を、大腸がんを自然発症し遠隔臓器へ転移するモデルを開発することで、生体レベルで明らかにした。さらに遺伝子変異外にも転移で活性化するシグナル経路について同定できたことから、本研究成果はこれまで困難とれてきた転移能を獲得した大腸がんに対して新たな治療方法の開発に寄与するものである。