芽殖孤虫はヒト体内で無制限に増殖・播種し、発見が遅れると致死的である。有効な治療薬はなく、世界的に極めて稀な寄生虫症であるが本邦での症例率は高い。 マウス腹腔内で維持する孤虫を定期的に回収し、その画像解析から、ほぼ一定の割合で成長するのを確認した。この評価系では、プラジカンテルおよびアルベンダゾールの高濃度投与は効果を認めなかった。孤虫の呼吸鎖酵素は好気および嫌気ともに活性を示し、複合体I阻害剤が極低濃度で阻害した。孤虫と共培養後に色素排除試験で薬剤効果を認めた。超微形態学的に、培養1日のミトコンドリアと核周囲および虫体の外被部分に変化を認め、これら一連の薬剤効果は好気条件でより強力であった。
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