カルバペネム耐性大腸菌の蔓延が世界的な問題となっているが、それらの伝播性・病原性についてはあまり明らかではない。本研究では、臨床・環境・健常人から共通して分離されたカルバペネム耐性大腸菌ST8453株に着目して解析を進めた。近縁な系統との比較ゲノム解析の結果、ST8453に特異的なDNA修飾酵素を見出した。その遺伝子欠失株を作出し野生株との比較実験を行ったが、表現型に大きな差異は見いだされなかった。一方、RNA-seqにり複数の遺伝子の発現に差異が見いだされた。今後当該遺伝子の機能についての解析により、ST8453株の特性についての知見が得られることが期待される。
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