EHEC感染による重症例である溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症する年齢は10歳までの小児に最も多い。EHECと近縁であるが大腸菌とは異なる種に分類されるEscherichia albertii(EA)は、これまでHUSを発症したケースは報告されていなかった。我々はHUS発症患者から志賀毒素産生性のEAを分離同定し、その病原性に重要と考えられる細胞接着性にかかわる遺伝子群LEEの発現に必須な遺伝子を同定した。本研究の成果はEHECおよびEAが保有する病原性遺伝子群の発現制御機構の解明に向けた重要な知見となり、EAの病原性を理解する上で重要な知見になるものと考えられる。
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