単純ヘルペスウイルス(HSV)は宿主細胞に侵入後、前初期遺伝子、初期遺伝子、後期遺伝子という3つの遺伝子群をカスケード状に発現するが、この遺伝子発現移行機構に関しては不明な点が多い。申請者が過去に実施したHSV感染細胞の1細胞シークエンス解析により、特定の細胞内金属イオンがHSVの遺伝子発現移行に関与することが示唆されていた為、本研究はこの細胞内金属イオンのHSV遺伝子発現、及び再活性化における役割の解明を試みた。その結果、当該金属イオンはHSVがコードする遺伝子発現活性化因子の機能制御を介して、HSVの遺伝子発現移行に寄与する事が明らかになった。
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