乳がんの手術後10年以内に再発した患者の原発腫瘍組織で高発現していたNRF2F1-AS1は、エストロゲン受容体とプロゲステロン受容体によって、発現が抑制的に調節されていることが示唆された。乳がんのNR2F1-AS1高発現株は培養条件とヌードマウスに移植した場合の両者で細胞増殖の速度が遅くなり、がん幹細胞のマーカーとしても知られるSOX2やSOX9の発現量が顕著に上昇していた。以上の結果から、乳がん細胞の休眠状態(dormancy)の維持にNR2F1-AS1が関与していることが示唆され、NR2F1-AS1の発現制御は乳がん再発の抑制に寄与することが期待された。
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