本研究は、がん細胞の増殖を促進する転写共役因子YAPと転写因子TEADの活性化を阻害するための新しい薬剤標的を同定することを目的としている。YAP-TEADによる遺伝子転写の活性を高感度に測定する細胞株を用いて、全ゲノムのsiRNAライブラリースクリーニングを行った。その結果、mRNAの転写後調節因子であるRNABPがYAP-TEADの転写活性を強力に活性化し、がん細胞の増殖、浸潤、遊走に寄与することが明らかになった。RNABPはYAP阻害因子であるVGLL4の発現を抑制することでYAP-TEADを活性化することが明らかになった。
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