上皮細胞がその特性を失って間葉系細胞の形質を獲得する上皮間葉転換(EMT)とその逆反応であるMETは癌悪性化の様々なステップで重要である。EMTは癌細胞の細胞死抵抗性や運動性を亢進させて治療後の再発や転移の初期段階である血管への移行を促進する。一方、遠隔臓器へ移動した癌細胞はMETによって上皮様形質を再獲得し活発に増殖して転移巣を形成する。本研究では乳癌におけるEMT/METの可塑性を制御する遺伝子の探索を目的としてCRISPR/Cas9とプール型gRNAによる網羅的な遺伝子スクリーニングを行い、これまでにEMT/METへの関与が知られていない種々の新規のEMT関連遺伝子を見出した。
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