東京大学医学部附属病院における非小細胞肺癌切除検体およびTCGAデータベースの非小細胞肺癌症例を解析し、ITGA2、ITGA5それぞれの高発現群で術後再発を多く認め、全生存期間の短縮を認めた。レンチウイルスベクターを用いて肺癌細胞株にITGA2、ITGA5をそれぞれ強制発現し、細胞外基質への接着能と遊走能の亢進を認め、阻害薬により亢進が抑制された。ITGA5を高発現する肺癌細胞株にITGA5 siRNAと阻害薬を添加し、接着能、遊走能、増殖能の低下を認め、Ki-67の発現低下を認めた。以上より、非小細胞肺癌においてITGA2、ITGA5は悪性度に寄与することと、治療標的になりうることを示した。
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