本研究はRNA修飾による遺伝子発現制御機構であるエピトランスクリプトームと免疫逃避機構を担う免疫チェックポイント分子発現との関連を明らかにすることである。ヒト大腸がん細胞株HCT-116による検討で、代表的なRNA修飾であるN6-メチルアデノシンの脱メチル化酵素FTOにより、免疫チェックポイント分子PD-L1の発現が制御されることが明らかになった。一方、検討した他の大腸がんや食道がん細胞株では制御されていなかった。本研究により免疫チェックポイント分子発現がエピトランスクリプトーム制御を受けることが明らかなったとともに、がん種や細胞毎の特性が重要なことが示唆された。今後の更なる検討が期待される。
|