研究課題/領域番号 |
20K07686
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 近畿大学 (2022-2023) 藤田医科大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
桑原 一彦 近畿大学, 大学病院, 講師 (10263469)
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研究分担者 |
酒井 康弘 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (20754394)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 乳癌 / 転写共役型DNA傷害 |
研究成果の概要 |
PARP阻害剤は現在抗がん治療に適応されており、BRCA1/2変異を有する癌でその有効性が認められており、乳癌、卵巣癌、膵癌などで臨床応用されている。BRCA変異は全乳癌患者の約5%でのみみられるため、大部分の非遺伝性散発性乳癌ではPARP阻害剤による治療効果は得られない。我々は非遺伝性散発性乳癌の発症に関わるGANPの発現抑制がBRCA2のタンパク発現を低下させることから、GANPの発現抑制によるPARP阻害剤の効果を示した。GANP発現低下によるBRCAness誘導に至る分子機構を利用し、BRCA変異の有無に依らないPARP阻害剤による新規乳癌治療戦略を提示した。
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自由記述の分野 |
実験病理
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乳癌発症には女性ホルモンの長期暴露、欧米型の生活習慣などが危険因子となるが、95%を占める非遺伝性散発性乳癌ではその原因には不明な点が多い。家族性乳癌の原因遺伝子BRCA1とBRCA2の解析から両者がDNA修復に関与することが示され、乳癌が「DNA修復機構の異常による疾患」であることが明らかにされた。我々は転写共役型DNA傷害の制御に関わる分子GANPの機能不全と非遺伝性散発性乳癌発症に着目し、GANPの標的分子の一つがBRCA2であることを見出した。GANPを強制的に発現低下させることでBRCA2を抑制でき、PARP阻害剤の適応を非遺伝性散発性乳癌にまで拡げることが可能となる。
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