EZH2阻害薬を含むエピジェネティクスを標的とした治療の固形腫瘍における有効性は限定的である。本研究では、固形腫瘍全体で20%を占めるエピジェネティクス関連因子SWI/SNF複合体に着目して、エピジェネティクス治療の改善を目指した。SWI/SNFの異常を有する固形腫瘍を主体として、HDAC阻害薬によるエピジェネティクス標的治療の効果が、CDK4/6阻害薬との併用で、相乗的に増強する可能性が示唆された。また、SWI/SNFの主要構成因子であるSMARCA4変異陽性腫瘍において、MTOR阻害薬の治療効果が高く、エピジェネティクスを標的とする治療との併用薬の候補となる可能性が示唆された。
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