研究課題/領域番号 |
20K07738
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 大阪河崎リハビリテーション大学 |
研究代表者 |
大篭 友博 大阪河崎リハビリテーション大学, リハビリテーション学部, 講師 (80584755)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 統合失調症 / モノアミン系シグナル / オリゴデンドロサイト / 感覚運動ゲーティング / 脳血流 / 前頭前野 / 脳波 |
研究成果の概要 |
統合失調症では感覚運動ゲーティングや記憶に異常がみられる。クプリゾンを2週間投与したマウスではプレパルス抑制が障害され、統合失調症様の行動が観察された。免疫組織化学的検討から、海馬歯状回では白質の異常は認められず、神経幹細胞の静止性が亢進していることが明らかになった。感覚運動ゲーティングと記憶に共通した神経回路基盤として、前頭前野の重要性が考えられる。そこで健常成人を対象として感覚運動ゲーティングと記憶の干渉作用を機能的イメージングおよび生理学的な手法を用いて検討した。感覚の部分的な遮断によって前頭前野ではθ活動の増加、血流の上昇が認められ、記憶課題の成績向上につながることが明らかとなった。
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自由記述の分野 |
神経科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では当初統合失調症モデル動物でみられる行動異常が白質病変に基づくものであると考えたが、少なくともクプリゾン投与マウスでみられる感覚-運動ゲーティングの異常は白質病変とは独立した現象であることを明らかにした。また統合失調症治療薬として古くから使われてきたドーパミン拮抗薬は大脳基底核が関わる運動機能に対する副作用が懸念されており、近年ではモノアミン系拮抗薬が主流となっているが、依然として統合失調症患者における転倒リスクの高さは問題であり、基底核系とは異なる神経基盤の異常が考えられる。本研究ではその要因の1つとして前頭前野の機能を明らかにしたものである。
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