研究課題/領域番号 |
20K07837
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
前田 一石 聖隷クリストファー大学, 看護学研究科, 臨床講師 (70706639)
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研究分担者 |
羽多野 裕 特定非営利活動法人JORTC, 臨床研究部門, 外来研究員 (30516034)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 緩和医療 |
研究実績の概要 |
終末期がん患者ではランダム化比較試験等の実施が困難であり、またランダム化比較試験の集団と比べると、実臨床の集団は脆弱性が極めて高く、介入試験の結果をそのまま臨床応用できないという問題点がある。本研究は、緩和治療のレジストリ研究であり、終末期がん患者の難治性症状に対する薬物療法のリアルワールドでの安全性・有効性を明らかにすることを目的とした研究である。 対象となる難治性症状および症状緩和治療について、あらかじめ研究協力者と協議してリアルワールドでの症例数、治療内容、アウトカム指標を整理したうえで、webベースのレジストリを用いて研究参加施設から臨床データを収集し、治療の安全性・有効性を明らかにするという手順で研究を進める。 2021年度は、悪心嘔吐に対する薬物療法の報告(Maeda I et al. Support Care Cancer. 2021 Oct)を行ったこと、研究協力者と共同して、苦痛緩和のための鎮静(Yokomichi N, Maeda I at al. Palliat Med. 2022 Jan)、せん妄(Yokomichi N, Maeda I et al. J Pain Symptom Manage. 2022 Mar)に関する実臨床データをまとめて報告したことが主な成果である。 引き続き、研究参加施設、データセンターと緊密な連携を取って、終末期がん患者に対する緩和治療のリアルワールドデータを得られる仕組みの構築を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍で研究代表者・研究協力者の臨床業務が多忙となったこと、緩和ケア病棟がコロナ対応のために閉鎖・転用されている状況、対面での会議・検討が実施できない状況で十分なコミュニケーションをとることが難しくなったことがあり、当初計画より進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
リモート会議等を用いた研究会議の実施などにより研究協力者・データセンター等とのコミュニケーションを確保する。既存データや後ろ向き研究を併用することで、全体として目的とする成果を得られるよう方策を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた対面での会議、学会出張旅費などを使用しなかったために繰り越しを生じている。一方、データマネジメントにかかる経費、論文校閲費・掲載料等は増加傾向であるため、それらの用途に充当する予定である。
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