研究課題
タコツボ型心筋症は1990年代にわが国で疾患概念が確立され、現在では国際的に広く認識された心病態である。精神的ストレス、身体的ストレスが誘因となり、急性心筋梗塞に酷似した胸痛と心電図変化で発症するが、本症の発症機構は未だ不明である。我々はタコツボ型心筋症の発症機序解明のためモデル心筋を作製し、細胞内微量元素動態に関する研究、及び電子顕微鏡を用いた超微形態学的研究を進めている。2020年度は、大型放射光施設 (SPring-8)X線蛍光分析装置の利用により、モデル心筋細胞内の微量元素を200 nmステップで測定した。本年度は、SPring-8で実施した実験結果をまとめ、単一心筋細胞における微量元素動態に関する論文を作成した。また、2021年度は、確立していたタコツボ型心筋症モデル心筋の作製ができず、心筋細胞内小器官の構造変化等は網羅的に検索できなかった。本年度は、モデル心筋作成の全課程を検証し、本症モデル心筋を再作成した。そして、電子顕微鏡を用いた超微形態学的検索により心筋細胞内小器官の構造変化を特定して、タコツボ型心筋症発症機序の解明を進めている。
4: 遅れている
本年度は、タコツボ型心筋症モデル心筋作成の全課程検証と、モデル心筋再作製に予想以上の時間を要した。そのため電子顕微鏡を用いた心筋細胞内小器官の構造変化等は網羅的に検索できなかった。
次年度は、タコツボ型心筋症の発症機序の解明のため、透過電顕、走査電顕、免疫電顕を用いた超微形態学的研究をさらに進め、結果を国際学会、国際学術誌に発表する。
本年度、超微形態学的研究のための消耗品支出が少なかった。当該研究経費は、次年度の透過電顕、走査電顕、免疫電顕による超微形態学的研究のための消耗品購入に充当する。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件)
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