抗菌薬適正使用の実践には、適切な微生物検査の実施や正しい解釈が不可欠である。薬剤耐性菌対策は社会全体で取り組む必要があり、大規模病院だけでなく中小規模病院や診療所での実践も重要である。 本研究では、中小規模病院を中心に感染防止対策加算算定施設でも微生物検査すべてを外部委託している施設は多く、院内で実施している施設も休祝日の体制や検体の質の管理など様々な課題を抱えていることが明らかとなった。新型コロナウイルス感染症により対面調査を基本とした質的検討は制限されたが、地域の病院・診療所の抗菌薬使用や薬剤耐性菌の検出状況等を把握する体制を構築できたことは、今後地域での検討を進めるにあたり高い意義を持つ。
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