研究実績の概要 |
ジストニアの診断は主に症候学に依拠し、臨床医によるばらつきが大きいことが問題である。そのため診断や病勢評価に活かせる客観的なマーカーが求められている。画像検査では安静時機能的磁気共鳴画像(安静時fMRI)の活用が期待されている。しかし、安静時fMRIは患者個人のレベルで定量しがたいのが課題である。それを解決するため研究代表者は、安静時fMRIに独立成分分析・ブートストラップを用いて疾患関連ネットワークを決定し定量する新規手法を開発した。本研究では同手法をジストニアに応用し安静時機能的ネットワークを検出・定量した。独立成分分析(independent component analysis: ICA)-ブートストラップ手法によってネットワークを同定しその発現度を定量した。【ステップ1】画像データの前処理。【ステップ2】グループレベル空間的ICA:個人レベルで各ICの発現スコアを算出した。【ステップ3】ICの選択:1回目のブートストラップ (1,000 サンプル)で疾患・健常を最も高頻度に分別する少数のICを特定した。特定されたICに対して2回目のブートストラップ(1,000サンプル)を行い、各ICの係数を推定した。【ステップ4】機能的ネットワークの決定と発現スコア算出:選択された複数のICの線型結合によってネットワークを決定する。ネットワークの発現スコアは各ICの発現スコアの線型結合によって決定する。【ステップ5】新しい画像データにおける当てはめと発現スコア算出:上記ステップに含まれていない 個人の画像について、ステップ2で得られたグループマップに対応する個人の空間マップを推定し、上記と同じ係数を用いてネットワークの発現スコアを算出した。白質微細構造ネットワークを検出し、その発現スコアを算出した。
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