幼若期における心身の過剰なストレスによって生じる情動機能障害モデルマウス(幼若期ストレスマウス)を用いて観察恐怖学習(負の共感様行動)とその変容に関わる中枢神経系の神経回路ネットワークとその基盤となる神経細胞の活動について研究した。5-HT2CKOマウスは共感性が欠如し、幼若期ストレスマウスは観察恐怖学習が亢進している可能性が示唆された。幼若期ストレスマウスの内側前頭前皮質の錐体細胞の神経活動をスライスパッチクランプ法にて解析した結果、ストレス負荷群の雌マウスでは活動電位の頻度上昇が認められたが、雄マウスでは変化していなかった。これは女性のうつ病発症リスクが高いことの一因となる可能性がある。
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