研究課題/領域番号 |
20K08037
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
大野 良治 藤田医科大学, 医学部, 教授 (30324924)
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研究分担者 |
近藤 征史 藤田医科大学, 医学部, 教授 (00378077)
村山 和宏 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (40622931)
今泉 和良 藤田医科大学, 医学部, 教授 (50362257)
林 真也 藤田医科大学, 医学部, 教授 (60313904)
服部 秀計 藤田医科大学, 医学部, 講師 (70351046)
外山 宏 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90247643)
星川 康 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90333814)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 放射線医学 / CT / 人工知能 / 被曝線量低減 |
研究実績の概要 |
2020年度は肺疾患定量評価とRadiomics解析によるUHR-CT撮像法と再構成法策定のための基礎実験として,近年,臨床応用された超高精細CT(Ultra-High-Resolution CT: 以下UHR-CT)および従来より臨床で用いている320列面検出器型CT(Area-Detector CT: 以下ADCT)にてRadiological Society of North AmericaのQuantitative Imaging Biomarker Allianceに準拠したThe Phantom Laboratory社製COPDGene IIファントムを種々の被曝線量にてUHR-CTで撮像し,0.25mm, 0.5mmおよび1mmスライス厚で512-1024×512-1024マトリックスで,従来の逐次近似再構成,逐次再構成及びDeep Learningを用いたDeep Learning Reconstruction(DLR)法にて再構成を行う。次いで,CT値,Signal-to-Noise Ratio(SNR)およびContrast-to-Noise Ratio(CNR)を測定し,従来のADCTによる薄層CTと同等或いはより正確にCT値測定を行い,Signal-to-Noise Ratio(SNR)やContrast-to-Noise Ratio(CNR)を改善できる標準および低線量CT撮像法について統計学的に比較検討を行った。なお,本研究成果はRSNA 2021,ECR 2022やJRC 2022にて発表予定である。あわせて,海外一流誌に投稿するたえに論文執筆を開始する予定である。 併せて,開発改良予定の画像解析ソフトの初期バージョンに関して検証を行い,海外一流誌で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度はUHR-CTにおける低線量撮像法の確立のための基礎検討を行い,研究成果をもとに撮像プロトコールが決定された。また,研究成果に関しては国内外学会にての研究発表や海外一流誌での研究成果発表に2021年度より着手開始できる。更に,2021年度より患者データ取得するために当大学病院の医学研究倫理審査委員会に研究計画書などを提出し,現在審査中である。審査通過したのち撮像を開始予定である。 また,新たなAIによる肺疾患定量評価法と原発巣のRadiomics解析による非小細胞肺癌治療に伴う合併症予測を目的とした診断アルゴリズムを開発するために,2017-2019年に藤田医科大学病院放射線部にて撮像された肺癌患者の外科治療,放射線治療および保存的治療前後及び経過観察を目的にして撮像されたUHR-CTデータのうち,元データ(Raw-Data)を有している症例を医学研究倫理審査委員会の承認を得て使用し,2021年度4月より,従来より開発してきた画像解析ソフトの改良および開発に着手した。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度には新たなAIによる肺疾患定量評価法と原発巣のRadiomics解析による非小細胞肺癌治療に伴う合併症予測を目的とした診断アルゴリズムを開発をサイバーネット社製解析ソフト開発用ソフト「MATLAB」を用いて新たにMachine Learningを用いた人工知能(以下AIによる肺疾患定量評価法とRadiomics解析による肺癌および肺癌周囲肺実質の評価を行う。そして,治療後の感染症や間質性肺炎の増悪や放射線治療後の放射線肺臓炎や放射線線維症および薬剤性肺炎などの発症に関して統計学的解析を行い,CAD装置用の新たな診断アルゴリズムを従来より作成してきたものをベースに改良・開発する。 なお,本研究成果は北米放射線学会や日本医学放射線学会にて発表するとともに,海外一流誌に投稿予定である。また,ソフト開発および改良に際してPennsylvania大学Penn Image Computing and Science LaboratoryのDirectorのJames C. Gee 准教授やUlsan大学Asan Medical CenterのJoon Beom Seo教授と必要に応じて意見交換を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19感染症の蔓延により海外での研究発表ができず,海外の研究者との打ち合わせができなかった。併せて,CT撮像法開発の研究に時間がかかり,倫理審査委員会の審査にもCOVID-19感染症の蔓延の影響で時間がかかり,患者データ使用許諾が得られなかったため,記憶媒体などの消耗品の購入を見合わせていた。
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