研究課題/領域番号 |
20K08038
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
小笠原 篤 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60565662)
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研究分担者 |
山門 亨一郎 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20263022)
片岡 幸三 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (80777946)
鶴崎 正勝 近畿大学, 医学部, 准教授 (00379356)
西尾福 英之 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (80458041)
南 哲弥 金沢医科大学, 医学部, 教授 (60436813)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 大腸がん肝転移 / DEBIRI / 肝動脈化学塞栓療法 / 多施設共同第Ⅱ相臨床試験 / イリノテカン |
研究実績の概要 |
大腸がん肝転移の根治的治療は外科的肝切除術であるが、肝切除が可能な症例が限られる。切除不能の肝転移に対する標準的治療として 全身化学療法があり、殺細胞性薬剤、分子標的治療薬などが行われている。しかし、その治療に不応・不耐となった場合、予後は半年程度と極めて不良となる。その場合有効な治療法は確立されていない。 欧米ではそのような症例に対して、イリノテカンを吸着させた球状塞栓物質(Drug eluting-bead loading irinotecan)による肝動脈化学塞栓療法が行われおり、良好な奏効率や予後の延長が報告されている。しかし、本邦ではイリノテカンの動脈内投与は認可されていない。 今回、そのような標準治療抵抗性の大腸がん癌肝転移に対して、イリノテカンを吸着させた球状塞栓物質を用いた肝動脈塞栓術を行い、その臨床的有効性を臨床研究法の下、多施設共同前向き臨床試験で検討する。主要評価項目として肝特異的無増悪生存期間、副次評価項目として全生存期間、無増悪生存期間、奏効率、安全性を評価する。 本研究は多施設共同研究であるが、試験開始より8か月経過した時点で19症例の登録があった。治療効果判定などはこれからであるが、治療時に重篤な有害事象方向もなく、順調に研究は進行している。 今後、本研究の有効性や安全性が証明できれば、現時点で標準治療法がなくなった大腸がん肝転移の患者にとって有効な治療法となり、多くの患者の福音となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究期間は3年、症例登録期間は2年間/35症例を予定している。現在研究開始より8か月経過し、19症例が登録されている。DEBIRI自体による有害事象の報告もない。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き目標症例登録数を達成できるように、他施設と連携していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス流行の影響で学会出張が中止あるいは延期となったため。 次年度の学会や会議費用に充てる予定。
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