脳放射線壊死に関する研究は古くからあるものの、未だに病態の全貌は解明されておらず、診断や治療に関しても確立したものがない。本研究は、白質病変の主体と考えられているオリゴデンドロサイト(OL)に着目し、放射線による脱ミエリン化および再ミエリン化の分子機構を解明することを目的とした。 X線照射により脱髄モデルマウスを作成し、サンプリングした脳の凍結切片を作製し、OL、アストロサイト、ミクログリア等の各特異的マーカーを用いて解析を行った。その結果、正常マウスに比べて、照射マウスの脳では白質部位においてOLの発現低下、活性化アストロサイトおよび活性化ミクログリアの増加を認めた。
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