近年、次世代ドラッグデリバリーシステム製剤の開発に対する期待は高く、がんの化学療法において、抗がん剤の生体内分布を量的かつ時空間的に制御し、がん特異的な治療効果を達成することは、がんの根治に繋がるのみならず、正常組織における副作用を低減し、患者の苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上に貢献するものと考えられている。実際、本研究課題において、ポリマーを基盤とする放射性薬剤開発を推進し、温熱療法との組み合わせにより、高いがん集積性および高い治療効果を示す可能性を明らかとした。ポリマーに対する化学修飾の容易性の観点から、今後様々な抗がん剤を導入し、より高いがん治療効果を示す薬剤開発へと繋げていきたい。
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