研究課題
基盤研究(C)
早産児は脳室内出血のリスクが高いとされているが、軽症の脳室内出血が将来の神経発達予後に影響するかは明らかになっていない。我々は満期産相当時期での拡散テンソル画像の定量的パラメータを用いて、軽症の脳室内出血がある群、ない群で、早産児の大脳、小脳の障害の程度を評価した。また、この2群間に神経発達予後について比較を行った。今回の研究は、軽症の脳室内出血が小脳白質を障害すること、3歳時の運動機能、認知機能を低下させることを明らかにした。
新生児
これまで早産児の軽症脳室内出血は神経発達予後に影響するかどうかは明らかにされてこなかった。我々の研究により、軽症の脳室内出血であっても小脳白質が障害されることが明らかとなり、その小脳白質への障害が将来の運動機能、認知機能に影響を与えることがわかった。このことから、早産児で脳室内出血を認めた場合、軽症であっても慎重な発達フォローアップが必要で、早期のリハビリテーション介入を検討すべきであると考えられた。