肥満の大腸癌では細胞質におけるHuRの発現が増加していました。また大腸癌細胞では、インスリンによりHuRの核内から細胞質へ移行が高まり、HuRに結合するmRNA量が約4倍以上増加しました。網羅的なトランスクリプトーム解析から、HuRとの結合が2倍以上増加した38のmRNAsを同定しました。結合性が最も低下していたX geneではmRNAの安定性が50%低下していました。この遺伝子のノックアウトマウスでは小腸にリンパ腫様の腫瘤がみられました。今後、さらなる解析をすすめ、HuRによるRNAの転写後調節を介した大腸発癌機序を明らかにし、効果的な予防や治療を可能とする新しい分子基盤を創出します。
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