研究課題/領域番号 |
20K08505
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 (2023) 国立研究開発法人国立循環器病研究センター (2020-2022) |
研究代表者 |
徳留 健 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (00443474)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 抗癌剤誘発性心筋症 / 心不全 / グレリン / ペプチドホルモン |
研究成果の概要 |
ドキソルビシン(DOX)は、悪性リンパ腫・乳癌等の治療に用いられている抗癌剤だが、不可逆的な心毒性を来すことがあるため、使用に際しては経時的心機能評価が必要である。グレリンは胃から産生されるペプチドホルモンであり、摂食亢進作用・成長ホルモンやIGF-1の分泌促進作用を有する。本研究では、ドキソルビシン誘発性心筋症モデルマウスの心機能に対するグレリン投与の効果を検討した。結果として、3週間のグレリン投与(200 μg/kg/day・皮下注)により、心エコーで評価したドキソルビシン誘発性心機能低下は抑制された。以上より、グレリンはドキソルビシン誘発性心筋症予防効果を有する可能性がある。
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自由記述の分野 |
循環器病学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、癌薬物療法は飛躍的な発展を遂げた。一方で抗癌剤は様々な頻度・重症度で、心筋障害・心機能低下を引き起こす。このため、昨今「Onco-Cardiology:腫瘍循環器学」という学問分野が立ち上がった。ドキソルビシン(DOX)は、悪性リンパ腫・乳癌等の治療に用いられている抗癌剤だが、不可逆的な心毒性を来すことがあり、癌ではなく心不全で亡くなる患者が存在する。よってDOX誘発性心筋症に対する画期的な治療法・予防法が望まれている。本研究は生体内で恒常的に産生されているペプチドホルモンであるグレリンが、DOX誘発性心筋症の予防的効果を有する可能性を示したものであり、その学術的・社会的意義は大きい。
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