気管支喘息のうち、金属を取り扱う業務に従事している人に見られる職業性喘息があるが、その発症機序を探索する研究を行った。 ヒト気管支平滑筋細胞を培養し、ニッケル、コバルト、鉄、マンガン、亜鉛、クロムの低濃度~高濃度で刺激をすることにより、気管支平滑筋細胞からの、難治性喘息に関与する気道炎症を惹起させる因子であるIL-6の産生が亢進したことを発見した。IL-6の産生亢進は、IL-6の転写レベルで調節されていた。ニッケル、コバルトの刺激の感知には、酸を感知するレセプターであるOGR1が関与していた。デキサメサゾンを投与すると、IL-6産生亢進を抑制した。
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