メポリズマブとベンラリズマブは好酸球を標的とした製剤である。前者はタイプ2炎症マーカーが高く、非タイプ2炎症マーカーが低い症例でより有効であった可能性がある。一方、後者は非タイプ2炎症を司るTh17細胞が多い症例でより有効であった可能性が示唆された。Th17のTh2炎症への修飾はTh2炎症を増強し、ステロイド抵抗性を付与する可能性がある。生物学的製剤の適応のある喘息症例はステロイド抵抗性を有していることが多く、この結果は、生物学的製剤のステロイド抵抗性改善効果について解析を進める契機となった。ステロイド抵抗性喘息の克服はすなわち喘息の克服にほかならず、この目標に向けてさらなる研究を実施する。
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