研究課題
EGFRチロシンキナーゼ阻害剤は非小細胞肺癌(NSCLC)に対する優れた治療薬であるが、耐性が課題である。TKIや化学療法に抵抗性を示す症例は多いが、その機序は不明である。一方、多くの癌で高頻度に認められる細胞骨格系の活性化はHippo経路のエフェクターであるYAPを活性化することが明らかとなった。本研究では、機械的ストレスがYAPを活性化し悪性化を誘導するという仮説を立て、耐性獲得における細胞骨格-YAP系の役割と両者の連携による耐性獲得機構を解明することを目指す。本年度は、肺癌における細胞骨格-YAP系の活性化の仕組みの解明として、EGFRシグナルによるYAP活性化を解析した。EGFR変異(L858R/T790M)を有するH1975細胞を用いて、TKIによるYAPリン酸化を解析したところ、YAPリン酸化が上昇していた。一方、YAPの標的遺伝子を定量したところ、EGFRシグナルにより転写活性化が認められた。さらに多種の肺癌細胞を用いた解析を行い、シグナル伝達とYAP活性化の関係を明らかにする予定である。
2: おおむね順調に進展している
予定通り肺がんに関する実験が進んでいるため。
計画通り研究を進める予定である。
研究試料特に細胞樹立に時間がかかり一部研究が次年度になったため。全体計画に変更はない。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
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