研究課題/領域番号 |
20K08645
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
的場 圭一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (20459647)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 糖尿病 / 糖尿病腎症 / 糖尿病性腎症 / 慢性腎臓病 / 糸球体上皮細胞 / ROCK / ROCK2 / PPARα |
研究成果の概要 |
腎糸球体上皮特異的ROCK2欠損マウス(PR2KO)で糖尿病腎症モデルを独自に作製し、ROCK2アイソフォーム特異的な機能解析を実施した。野生型マウスと比較して、PR2KOではSTZ投与や高脂肪食、db/dbマウスで誘導される尿アルブミン値増加と腎肥大、糸球体メサンギウム領域の拡大が抑制された。RNA-Seqによる遺伝子発現プロファイリングでは、ROCK2欠損糸球体上皮で代謝やPPARシグナルに関わる経路が大きく変化していた。特に、ROCK2はPPARαの発現抑制を介して糸球体上皮の細胞死を誘導することが示唆された。
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自由記述の分野 |
糖尿病学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病腎症は糖尿病患者の生命予後を規定する血管併発症であり、生活の質を維持するためにも病態の進行抑制が求められる。本研究から、ROCK2が腎エネルギー代謝と腎症の進行を制御する重要なシグナル分子であることが明らかになり、ROCK2を標的とした創薬と腎症に対する新たな治療戦略確立へ向けた大きな第一歩となった。ROCK2は糖尿病腎症のみならず、悪性腫瘍や中枢神経疾患など、広範な疾病の病態に関与しており、本研究をさらに発展させることで、「細胞内シグナル伝達異常」という観点から様々な疾患の病因解明、診断、創薬に向けたシーズ探索が可能となる。
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