WT1タンパクは代謝酵素Y1およびY2に直接結合してこれらの活性を増強する。本課題では、1)WT1タンパクの代謝酵素との結合領域配列のペプチド(WT1ペプチド)が白血病細胞に細胞死を誘導する、 2)代謝安定性の高いD体のWT1ペプチドは天然型ペプチドに比較してより強い抗腫瘍活性を示す、3) WT1ペプチドは白血病細胞のみならずWT1を発現する様々な固形悪性腫瘍においても細胞死を誘導することを示した。これらの結果はWT1と代謝酵素Y1、Y2のタンパク間相互作用(PPI)が白血病のみならず多くの癌種において生存に重要な役割を果たし、これが新規の分子標的治療のターゲットになりうることを示している。
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