侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD)は重症度が高く、集団感染事例も多いため公衆衛生的に注視される疾病である。しかし、本邦ではその原因菌である髄膜炎菌の薬剤耐性に関する実態把握は遅れている。また本菌のペニシリン系薬耐性化機構は未解明な部分も多い。本研究により、全国で収集されたIMD由来87株において、ペニシリン非感性株は約47%を占めるが、セフトリアキソンは全て感性であることが確認された。またペニシリン耐性化は、penA9やpenA33など特定のpenAモザイク配列に起因すると示唆された。更に、主要な6血清群の迅速測定系を構築した。
|