Subtilase cytotoxin(SubAB)は、腸管出血性大腸菌が産生する毒素であり、宿主小胞体シャペロン蛋白質であるBiPを切断することで小胞体ストレス性の細胞毒性を示す。本研究では、SubABの毒性発現に関わる宿主の酸化還元(レドックス)調節因子の探索とその機序を調べ、複数の宿主レドックス因子がSubABのBiP切断に関わることを見出した。またそれらの因子を標的としたSubABの制御法を調べ、生体防御因子である一酸化窒素が阻害効果を示すことが分かった。本研究は、SubABが小胞体に到達しBiPを切断する過程を阻害できる新たなレドックス制御戦略の開発に繋がることが期待される。
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