今回の我々の研究の中で最もインパクトのある結果は、患者の乳癌組織から安定的に乳癌幹細胞が得られるようになったことである。それにより、乳癌幹細胞の生物学的特徴、遺伝子情報、薬剤感受性などを患者ごとに知ることができるようになり、治療戦略を立てる上で非常に有用である。次に、これまで一つのサブタイプを遡ると乳癌幹細胞は一つのタイプからなるのではと考えられていたが、我々が得た結果からは乳癌幹細胞の中には少数であるがCD44+/CD24-以外の乳癌幹細胞も存在し、ホルモン感受性、EMTマーカーの発現からも多様性があることが明らかになったことである。
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