胃癌腹膜播種の予後は極めて不良である。特に播種が進行し胃癌が腹腔内に遊離した状態(CY1)から腹膜転移(P1)をきたした後は、結節増大による出血や腸閉塞、転移結節壊死による疼痛や発熱、更に腹水貯留・栄養状態悪化など多様な病状を示し、緩和的にも対応困難な経過をたどることが多い。今回臨床データをupdateすることにより、改めて腹膜転移が広がった場合予後が悪くなることを示すことができた。マウスを用いて胃癌腹膜播種の形成過程を分子生物学的に検証中であるが、治療介入可能なメカニズムを同定できれば、胃癌の腹膜播種進行を食い止める一助となると考えている。さらに研究を続けていきたいと考えている。
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