大腸癌は、食習慣の変化等により日本人の罹患数が増えている疾患の一つである。術前に化学療法を行い、適切な時期に手術を行うことで、患者のQOLを高く保ち、さらに手術の根治性を上げることが期待される。化学療法効果を予測することは、治療ストラテジーを構築する上で、非常に有用な情報となる。個々の腫瘍の治療効果予測が立てられれば、手術優先か化学療法優先かの選択が適切に決められ、病期進行を制御した状態をなるべく維持し、時期を逸しない根治治療が可能になるものと考える。 術前化学療法でより腫瘍縮小効果を認めた症例群における病理組織学因子を解析することにより、化学療法効果良好症例の特徴を理解することができた。
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