本研究では、腹部大動脈瘤の発症・進展におけるN型カルシウムチャンネル(N型CC)の意義について着目し、その重要性と分子機構を解明することを目的とした。そこで、遺伝子変異マウスであるN型CCノックアウトマウス(α1Bノックアウトマウス)を用いた実験およびN型CC拮抗薬を用いた実験をそれぞれ行ったところいずれのモデルでも腹部部大動脈瘤の有意な発症・進展抑制が認められた。細胞実験でN型CC選択的阻害が強い酸化ストレス・炎症抑制効果を示した。以上のことからN型CCは腹部大動脈瘤の発症・進展に深く関与することが基礎的な検討で示された。
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