低温曝露後の復温がヒト単球系細胞(THP-1)に与える影響を調査した.4℃で一定時間の低温曝露後,37℃に再加温したTHP-1のミトコンドリア膜電位をTMRM染色で評価した.8時間以上の低温曝露後の再加温では,細胞は蛍光強度の異なる2つのグループに分かれ,一部はアポトーシスとなった.カルシウムの細胞内流入がアポトーシス誘導の主因であり,カルシウムキレート剤が抑制効果を示したが,活性酸素種は関与していなかった.さらに低温曝露後に組織因子の放出が観察され,抗酸化剤はこれを抑制した.これらの結果から低温曝露によるアポトーシス誘導と組織因子放出には異なる分子機構が関与していることが示唆された.
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