糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬は近年、複数の大規模比較試験で心血管イベントを減少させたことから非常に注目されており、その機序も多岐にわたると推測される。また、すべてのSGLT2阻害薬はSGLT1阻害作用を併せ持つが、薬剤によりSGLT1選択性は大きく異なり選択性の違いが心血管イベント減少効果に影響するのかについては不明である。今回、ブタの心筋スタニングモデルを用いてSGLT1選択性の異なるエンパグリフロジンとフロリジンの虚血前投与が心筋虚血再灌流傷害からの回復に与える影響について検討した。エンパグリフロジンによる心筋虚血再灌流傷害からの回復は認められなかった。
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