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2023 年度 実施状況報告書

重症患者の腸内細菌叢の変化と制御性T細胞を中心とした免疫能の変化との関連

研究課題

研究課題/領域番号 20K09265
研究機関大阪大学

研究代表者

小島 将裕  大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (70721091)

研究分担者 清水 健太郎  大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (60379203)
小倉 裕司  大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (70301265)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード腸内細菌叢 / 集中医療 / 救急 / 免疫
研究実績の概要

腸内細菌叢は重症患者の急性期において急速に変化し、生命予後や腸炎や人工呼吸関連性肺炎などの合併症と関連していることが明らかとなっている。しかし、その背景にあるメカニズムについては明らかではない。近年、腸内細菌叢と免疫との関連が注目されており、重症患者の急性期においても、腸内細菌叢と免疫が同時に関連して変化している可能性があると我々は考えている。また、重症病態時には腸管内の病原性菌やエンテロトキシンなどの毒性物質が体内に流入し(Bacterial Translocation)、患者の様々な合併症と関連し、予後を悪化させることも知られているが、それが腸内細菌叢や免疫の変化とどのような関連があるのかも十分に知られていない。本研究はそれらを明らかにすることを目的としている。
人工呼吸管理を要した36症例の重症患者を対象に経時的に便と血液を採取した。便中細菌叢の評価にはメタ16S解析を用いた。免疫を考える場合に腸管内免疫と全身免疫(腸管外免疫)とに分けて考える必要がある。腸管内免疫の評価として便中IgAを評価し、腸内細菌叢の毒性の強さとして便中エンドトキシンを評価した。その結果、両者の間には負の相関関係があった。また、便中エンドトキシンの濃度はクレブシエラ属などのグラム陰性桿菌の割合と正の相関があった。これらは重症病態時に腸内細菌叢が変化し、腸内の毒性物質が増加しているが、それらは宿主の腸管免疫が弱まった時に生じやすいことを示唆している。
腸内細菌叢と全身免疫、全身免疫と腸管免疫との関連は現在解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ渦の影響などで検査試薬の調達などに時間を要し、結果を得るのに想定以上に時間を要した。

今後の研究の推進方策

データは集積完了したため、データの解析を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

研究期間中に新型コロナウイルス感染症の拡大が生じて、研究計画に遅れが生じたために次年度使用額が生じた。次年度にデータ解析し、論文発表を行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 重症患者における腸内細菌叢の変化と病態との関連2024

    • 著者名/発表者名
      小島将裕
    • 雑誌名

      ICUとCCU

      巻: 48 ページ: 83-89

    • 査読あり
  • [学会発表] プロバイオティクス療法中に腸管ガス壊疽およびClostridium butyricum菌血症が生じて死亡した一例2023

    • 著者名/発表者名
      小島将裕、下野圭一郎、大西光雄
    • 学会等名
      第51回日本救急医学会総会・学術集会
  • [図書] 徹底ガイド 栄養療法 (救急・集中治療Vol.35 No.3) 研修医からの質問3802023

    • 著者名/発表者名
      小島将裕、清水健太郎
    • 総ページ数
      392
    • 出版者
      総合医学社
    • ISBN
      9784883785797

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公開日: 2024-12-25  

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