研究課題
エンドトキシン吸着療法(PMX; トレミキシン)は、敗血症性ショック・エンドトキシンショックの治療として用いられる。最新のEUPHRATESトライアルではEndotoxin Activity Assay (EAA)によるエンドトキシン測定を行い、適切な患者に施行することでPMXの性能が発揮できることが明らかとなった。しかし、国内ではEAAは臨床使用できない。国内で利用できるエンドトキシン測定法は感度が低く『エンドトキシン血症』を正確に測定することができない。 我々が開発・改良した新しい測定法であるエンドトキシン散乱測光法(Endotoxin Scattering Photometry; ESP) は従来の測定法より高感度・迅速にエンドトキシンを測定することができる。本研究では、敗血症性ショック・エンドトキシンショックでPMX治療を行う患者において、EAAとESP法でエンドトキシンを測定して適格なPMXの適応判断について考察することを目的としている。研究期間内に敗血症疑いでICUに入室した患者のEAA測定が可能であった。Sepsis-3の診断とEAAの測定データよりPMXの治療状況を比較検討すると、PMX治療の適応判断としてSepsis-3のSeptic shockの診断にEUPHRATESトライアルとほぼ同様の0.6≦EAA<0.9の範囲にある患者で有効性が発揮されることが確認できた。また、別のグループにてPMXカラムの前後でエンドトキシン値をESP法で比較したところ有意な低下を認めた。エンドトキシンが確実にカラムで吸着されていることを確認できた。ESP法でのエンドトキシンの評価は、新型コロナウイルス感染症による影響にてICU入室患者からの検体採取が滞ったが集積できた検体にて解析を行う予定である。
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