研究課題/領域番号 |
20K09421
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 仁士 産業医科大学, 医学部, 講師 (80644880)
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研究分担者 |
上田 陽一 産業医科大学, 医学部, 教授 (10232745)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | バゾプレッシン / 神経性障害性疼痛 / トランスジェニックラット / 視床下部 |
研究成果の概要 |
バゾプレッシンを緑色蛍光タンパク質で標識したトランスジェニックラットを用いて、神経障害性疼痛モデルラットを作成した。その結果、室傍核および視索上核におけるバゾプレッシンの発現が増加することを明らかにした。さらに、バゾプレッシンニューロンに薬剤興奮性受容体を発現させたトランスジェニックラットを用いて神経障害性疼痛モデルを作成し、薬剤興奮性受容体の作動薬投与によるバゾプレッシンニューロン活性化によって、神経障害性疼痛の痛覚過敏が緩和することを明らかにした。また、バゾプレッシンニューロンの活性化によって、疼痛調節に重要な調節機構の一つである下行性疼痛抑制系が賦活化する可能性を明らかにした。
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自由記述の分野 |
神経内分泌
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
視床下部ホルモンであるバゾプレッシンの神経障害性疼痛における発現動態およびその鎮痛作用の機序について不明な点が多い。本研究課題では、バゾプレッシンに関連する2種類の遺伝子改変動物を用いて、神経障害性疼痛病態下において、視床下部におけるバゾプレッシンの発現が増加すること、内因性バゾプレッシンニューロンの活性化によって神経障害性疼痛による痛覚過敏が緩和することならびに下行性疼痛抑制系が賦活化する可能性を明らかにした。今後、バゾプレッシンが神経障害性疼痛治療の選択肢の一つとなる可能性があり、これらの知見に社会的意義があると考える。
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