研究課題/領域番号 |
20K09530
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
藤井 泰普 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (30566229)
|
研究分担者 |
田口 和己 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (00595184)
安藤 亮介 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (30381867)
戸澤 啓一 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40264733)
安井 孝周 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40326153)
岡田 淳志 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (70444966)
濱本 周造 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (80551267)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | メタボリックシンドローム / 腎結石 / 接着 |
研究実績の概要 |
【研究1 メタボリックシンドローム環境下における結石作成と細胞接着分子の発現評価-In vivo-】 前年度に引き続き、グリオキシル酸50mg/kgを各マウス投与し、メタボリックシンドロームモデルマウスにおける結石形成の評価をおこなった。WTでは結石形成を認めなかったが、ob/obでは有意に腎結石が形成された。Gene ontology解析では、分子機能のうち接着のカテゴリーの比率が最も高く(68.6%)、有意差を認めた。マイクロアレイ解析により2群間に有意差をもつ遺伝子群の中から接着に関連するSpp1、Fn1、Icam1、Col3a1の4遺伝子を同定した。4遺伝子の定量PCRでは、ob/obは、WTと比べ有意に発現が多かった(p<0.05)。また、Tnf-αも同様に発現が多い傾向を認めた。OPN、FN、ICAM1、COL3A1、TNF-αの免疫染色においても、定量PCRと同様にob/obはWTと比べ有意に発現が多かった(p<0.05)。この結果により、再現性があることが示された。 【研究2 脂肪細胞が関与する腎尿細管上皮細胞(M-1)とシュウ酸カルシウム一水和物(COM結晶)の接着能の検討-In vitro-】 M-1へのCOM付着量は、control群と比較し、脂肪細胞群2.06倍と有意に増加していた。M-1細胞の発現解析は、control群と比較し、脂肪細胞群ではTnf、Spp1が有意に発現していた。一方、培養液の解析では、control群と比較し、脂肪細胞群ではTNF-αが有意に高値を示した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
in vivoにおいては、前年度の結果の再現性を確認できている。 in vitroについては、cell lineを確立し、遺伝子および蛋白発現の評価まで施行できている。
|
今後の研究の推進方策 |
研究1に関しては、引き続き再現性について確認を行う。 研究2に関しては、本実験を開始しているため、再現性について確認を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本研究では細胞接着分子が関わる結石形成機序を(研究1):MetS環境下における結石形成と細胞接着分子の発現評価 (研究2):脂肪細胞が関与する腎尿細管上皮細胞とシュウ酸カルシウム結晶の接着能の検討の2つの研究から行う計画である。計画自体は順調な滑り出しであったがCOVID-19による通常の医療業務が大幅に変更となり、予定してていた研究を進めることができなかった。また国際・国内学会出張も計画していたが、出張することもできなかった。このため次年度使用が生じた。次年度は(研究1)の遅れを取り戻し、(研究2)を進めて行きたい。
|