研究成果の概要 |
本研究は不妊の発症機序をエピゲノムの観点から解明するものである。ヒストン修飾などのエピジェネティックな因子は生殖細胞の発生に欠かせない。例えば、ヒストン修飾酵素の一つであるKMT2Bが無いと、精子幹細胞分化が障害される。本研究ではKMT2Bが精子形成に与える影響を詳細に解明するために、KMT2Bが制御する2つの遺伝子(Tsga8, Wfdc15a)のノックアウトマウスを作製し、機能解析を行った。すると、両方の遺伝子ともに円形精子細胞以降の精子形成に必須であることが明らかになった。このことから、KMT2Bは精子幹細胞分化にとどまらず、エピゲノムを介して精子形成後半にまで影響を及ぼすと考えられる。
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