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2021 年度 実施状況報告書

マクロファージ吸着物質による牛結核菌BCGの抗腫瘍効果増強と副作用減弱法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K09551
研究機関大阪医科薬科大学

研究代表者

能見 勇人  大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (80418938)

研究分担者 東 治人  大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (40231914)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードBCGマクロファージ / M1マクロファージ / 腫瘍関連マクロファージ / BCG療法 / 尿路上皮癌 / 膀胱注入療法 / 牛結核菌 / マウス
研究実績の概要

表在性膀胱癌の再発予防として実臨床で行われるBCG(牛結核菌)の膀胱注入療法は、再発予防療法では最も有効な治療法であり、また膀胱癌の免疫賦活療法として最も安価な方法であり、広く使用されている。しかし、頻尿や排尿時痛、発熱などの副作用が多い点が問題であり、また投与回数も6-8週にわたり毎週1回投与を繰り返すという継続した労力を要するものである。
BCGの作用機序の解明と効率化を目指し、我々はBCG療法作用機序を解析確認する実験から行うこととしている。具体的には、BALB/cマウスの腹腔に移植した腫瘍細胞のMeth A細胞とP815細胞の増殖において、BCGによる免疫賦活が抗腫瘍効果をいかに発現するのかをその腫瘍による差異も含めて検証している。BALB/cマウスの腹腔内に、BCGとMeth Aを単純同時投与したモデルと、これにBCGをマウス腹腔に先行投与をしたモデル(感作モデル)を比較ところ、感作モデルの方がMeth A細胞の増殖を減弱するBCGの抗腫瘍効果が強い傾向であることを認めた。現在さらに効率の良いBCG感作回数と投与間隔を順次検証している。この感作によるBCGの効果の増強は、臨床上膀胱癌の再発予防に複数回のBCGを有することと合致することからも、本実験もモデルがBCG療法と近い機序による免疫賦活を行っていることを少なくとも否定しないものと考え、さらに解析をすすめる方針としている。マウス肥満細胞腫であるP185についても同様に経過を確認している。BCG感作BALB/cマウスの腹腔内にMeth A腫瘍細胞とBCGと同時に移植したモデルの腹腔内に分泌されるサイトカインで経時的な変化をELAISA法での検証しているが、IFNγは腫瘍投与後日数を経てIFNγは上昇することを確認した。確認できたデータを中心に第108回日本泌尿器科学会総会等で発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

BCGと腫瘍によるマウス腹腔内のMφの変化の推移の動的変化をまずは正しく把握する方針としたので、本年度はMφの吸着実験に関してはやや遅れている状況である。

今後の研究の推進方策

腹腔洗浄液内にINFγが分泌される経時的変化を確認したが、IL2など他サイトカインの分泌のタイミングと量についても定量したい。
これらの経時的変化と場合によっては、分泌細胞の同定も必要となりうるため、今後の研究には想定より時間をかけて行う必要が生じる可能性がある。
また今後、n数を増やすこともことが必要であることから、時間を十分とってしっかり取り組みBCG療法の作用機序の詳細を検証し、さらにマクロファージの制御に必要な免疫担当細胞の発現量などの解析をすすめる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] マウスのMeth A繊維肉腫細胞に対するBCG療法の効果と機序の検証2021

    • 著者名/発表者名
      能見勇人、藤原裕也、加納陽祐、松永知久、前之園良一、吉川勇希、西村一希、内本泰三、上原博史、小村和正、稲元輝生、東 治人
    • 学会等名
      第71回日本泌尿器科学会中部総会
  • [学会発表] マウスのMeth A繊維肉腫細胞に対するBCG療法の効果の検証とその機序の解明について2021

    • 著者名/発表者名
      能見勇人、松永知久、前之園良一、堤 岳之、市橋 淳、吉川勇希、谷口俊理、上原博史、小村和正、伊夫貴直和、稲元輝生、東 治人.
    • 学会等名
      第109回日本泌尿器科学会総会

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公開日: 2022-12-28  

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