研究課題
倫理委員会承認のもと、前向きコホート研究として、不妊外来を受診し同意を得て、抗β2GPI/HLA-DR抗体(ネオセルフ抗体)を測定した、ART患者148人を含む不妊女性224人を研究対象とした。不妊症におけるネオセルフ抗体の陽性率を調べ、抗体陽性(73.3 U以上)と抗体陰性に分け、患者背景、不妊症リスク因子を比較検討した。3回以上の胚移植後の着床不成功を反復着床不全(RIF)と定義した。不妊症女性224人中40人(17.9%)が、ネオセルフ抗体陽性であった。抗体陽性不妊症では抗体陰性に比べ、子宮内膜症患者の割合が多かった(34.2%、13/40 vs 17.9%、32/184;p=0.039)。RIFを呈した患者の割合(RIF患者数/ART患者数)は、抗体陽性女性が43.5%(10/23)と抗体陰性の20.8%(26/125)より多かった(p=0.031)。ART患者の36人(24.8%)がRIFを経験し、そのうち10人(27.8%)がネオセルフ抗体が陽性であった。多変量解析にて、不妊症女性において子宮内膜症(OR 2.60、95%CI 1.13-5.96;p=0.024)が、またART患者においてRIF(OR 3.25、95%CI 1.15-9.22;p=0.026)が、ネオセルフ抗体陽性と唯一関連した。不妊症女性において、子宮内膜症とRIFがネオセルフ抗体陽性と関連した。前向きコホート研究を継続し、ネオセルフ抗体陽性の不妊症女性へのLDA療法の効果を調べることが、不妊症や反復着床不全の新たな治療法の開発につながる可能性がある。
3: やや遅れている
新型コロナウイルス感染症の影響で、動物実験については制限がかかり、実験が予定通りに進まなかった。
人を対象とした前向きコホート研究、症例対照研究、治療効果の観察研究は順調に進んでおり、症例数を増やしてさらに成果をあげることを目標とする。新型コロナウイルス感染症の影響が収まり次第、予定した動物実験を開始する。
新型コロナウイルス感染症の影響で研究が予定通りは進まなかった。特に、動物実験には制限がかかり、予定した実験ができなかった。人を対象とした前向きコホート研究、症例対照研究、治療効果の観察研究は順調に進んでおり、症例数を増やしてさらに成果をあげることを目標とする。新型コロナウイルス感染症の影響が収まり次第、予定した動物実験を開始する。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 3件)
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