研究課題/領域番号 |
20K09643
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
寺井 義人 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (90278531)
|
研究分担者 |
高橋 良輔 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (20866363)
谷野 裕一 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (50285392)
長又 哲史 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (50816642)
南 康博 神戸大学, 医学研究科, 教授 (70229772)
遠藤 光晴 神戸大学, 医学研究科, 講師 (90436444)
鈴木 嘉穂 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (90726126)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 卵巣癌 / 微小環境 / 浸潤・転移 / Wntシグナル |
研究実績の概要 |
卵巣癌は早期から腹膜浸潤・転移を引き起こす予後の悪い癌であり、癌の進展の中心的な働きをするEMT現象をターゲットとし、より特異的で効果的な卵巣癌治療の開発基盤を構築することを目指し、卵巣癌細胞のみならずニッチを構成するCAFs及びTAM(M2-THP-1)にも注目し、卵巣癌における卵巣癌細胞やCAFs、TAMなどニッチ構成細胞群全体の制御を目指している。Wntは分泌性糖タンパク質であり、Wntシグナル伝達経路を活性化することにより、増殖、分化、細胞運動、極性など、多岐にわたる細胞の応答を制御する.大腸がんをはじめとするヒトの種々のがんにおいて、Wntシグナル伝達経路の異常な活性化の関与について報告されていることから、卵巣癌においてもWntシグナル伝達経路をブロックすることで卵巣癌の進展の中心的な働きをするEMT現象を制御することができ、その過程で我々が注目しているmiR-622が関与していると考え、卵巣癌のニッチを構成するCAFs及びTAM(M2-THP-1)への影響を解析し、卵巣癌における卵巣癌細胞やCAFs、TAMなどニッチ構成細胞群全体の制御を目指している。今回実験では、白金製剤感受性株のA2780、OVK18および白金製剤耐性株のA2780cisを用いて、Wntシグナル受容体であるROR1、ROR2の発現をWestern Blotting法で検討し、A2780cisではROR2が有意に発現し、JHOS2ではROR1が有意に発現していることを確認した。さらにROR1、ROR2siRNAでブロックして、増殖能、浸潤能への影響を調べている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
卵巣癌細胞株A2780、OVK18、白金製剤耐性株A2780cisを用いて、Wntシグナル受容体であるRor1、Ror2の機能阻害による増殖、浸潤への影響を調べるために、miRNAやsiRNAによる機能阻害など様々な方法を試みてきたことで、研究自体の進捗状況が遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
3次元培養による増殖、浸潤能を解析し、卵巣癌の転移・浸潤過程におけるEMT現象をWntシグナル伝達経路をブロックすることで、制御できることを検証し、この機能阻害に我々が注目しているmiR-622が関与しているかを調べる。その後に卵巣癌のニッチを構成するCAFs及びTAM(M2-THP-1)への影響を解析する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究進捗状況が遅れたため、次年度へ繰り越した。
|