研究課題/領域番号 |
20K09738
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
三輪 正人 順天堂大学, 医学部, 客員教授 (80247650)
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研究分担者 |
山本 誠 東京理科大学, 工学部機械工学科, 教授 (20230584)
高田 弘弥 日本医科大学, 医学部, 教授 (30824833)
小川 令 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (70398866)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 気道上皮バリア機能 / 鼻粘膜 / 振動圧刺激 / メカノセラピー / ネブライザー / 数値流体力学的(CFD)解析 / 副鼻腔炎 / 鼻茸 |
研究実績の概要 |
今年度は昨年度から開始した副鼻腔への呼吸気流に対する振動の影響を検証するため、症例を増やし上顎洞各部位での流れのCFD解析を引き続きおこなった。上顎洞各断面について、25, 50, 75,100Hzの振動気流を与えた条件下で体積流量および壁面せん断応力(シアストレス)について空気力学的解析をおこなった。その結果周波数の変化により、体積流量、壁面せん断応力はそれぞれ変動することが観察された。 ついで、鼻茸を伴う難治性副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎)症例についてCFD解析をおこなった。その結果、鼻茸ありの症例では,鼻茸なしの症例に比べ体積流量を増大させる最適振動数が低く,低い振動数で上顎洞へ最も多くの空気が到達することが示唆された.また,鼻茸によって上鼻道が閉塞することによる,鼻道内の圧力分布の変化が確認でき,鼻茸の有無が鼻腔内の流れに影響を及ぼすことが示唆された. あわせて、単洞化を模したvirtual surgeryもおこない、その前後を比較した。その結果、振動気流の体積流量および壁面せん断応力が変化することを確認し、自然口の重要性について確認した。 今後,CFD解析を用いることで,鼻茸を有する症例においても,振動ネブライザーの最適振動数を提案できる可能性がある。流入空気の振動は、副鼻腔への呼吸気流に影響を与え、鼻腔だけではなく副鼻腔粘膜に対してもメカノセラピーをおこなえる可能性が示唆された。また、この研究により現在副鼻腔炎の治療として一定の振動数を与えて薬剤を投与する振動ネブライザーが開発されているがその最適な振動数が明らかとなり、より効果的なネブライザー治療を実現できる可能性も示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
鼻腔から副鼻腔の解析に進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
鼻茸の成因に気流がどのように関連しているかを検討するため、鼻茸出現前後および術後鼻茸再発症例の鼻茸発生部位と気流の関係も含めて検討する予定である。また、円管モデルを用い、混相流解析をおこない、ネブライザー薬液の粒子の流れについても検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際学会の出張日がやむを得ない事情により当初の予定と変更となり、フライト代金などが計上できなくなった。 予定していた細胞培養実験が、場所、検体の問題が生じたため、施行できなかった。 次年度は培養細胞実験および円管モデルを用いた混相流解析をおこないネブライザー薬液の粒子の流れについての検討するため使用する予定である。
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