研究課題/領域番号 |
20K09980
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
武市 収 日本大学, 歯学部, 教授 (10277460)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 難治性根尖性歯周炎 / 歯根肉芽種 / Epstein-Barrウイルス / Fusobacterium nucreatum / ルシフェラーゼアッセイ / BZLF-1 / ZEBRA / 再活性化 |
研究成果の概要 |
歯根肉芽腫31例と健常歯肉組織10例を検索した結果,歯根肉芽種からBZLF-1遺伝子とZEBRAタンパクの発現を確認した。また,Fusobacterium nucreatumおよびEpstein-Barrウイルス(EBV)も検出されたが,健常歯肉からは検出されなかった。F. nucreatumによりBZLF-1ルシフェラーゼ活性が上昇した。Daudi細胞にF. nucreatumを用いて培養したところ,BZLF-1遺伝子およびZEBRAタンパクの発現が認められた。 以上の結果から,根尖病変に感染したF. nucreatumは潜伏感染したEBVを再活性化し,炎症を誘導する可能性が示唆された。
|
自由記述の分野 |
歯内療法
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
根尖性歯周炎は口腔内常在菌の感染によって惹起されると考えられおり、これまでウイルスとの関連性に関する研究はほとんど行われていない。本研究では,ヒトヘルペスウイルスであるEpstein-Barrウイルスが難治性根尖性歯周炎に潜伏感染しており,Fusobacterium nucreatumの関与により再活性化することで,根尖病変を惹起する可能性を示唆した。ウイルスが根尖性歯周炎に果たす役割を明らかにしたことによって,今後難治性根尖性歯周炎に対する治療法を見出すことが可能となり,学術的意義がある。これによって,抜歯が適応とされる難治性根尖性歯周炎であっても,歯の保存治療を可能とし,社会的意義がある。
|